少子化を克服した先進国の事例

日本の現状と、世界で少子化対策に成功した実例

 一人の女性が生涯で何人子供を産むかという指標「合計特殊出生率」と言い、一人の女性が2.07人生むと理論的には人口増減が起こらないと言われています。現在、日本の「合計特殊出生率」は1.39でした。1.39という数値は、先進国の中で最低レベルです。(人口動態統計 厚生労働省 2011年)

少子化対策に成功した実例 〜スウェーデン〜

 スウェーデンも少子化の悩みを抱えていましたが、家族政策により出生率を回復させました。
スウェーデンでは出生率が、1999年に1.5で最低となり、2010年には1.98と回復しています。
(人口動態統計 厚生労働省 2011年)

スウェーデンでは、男女機会均等から出発した家族政策や女性解放政策によって、結果として少子化を食い止めました。

【スウェーデンの対策】
1.スピードプレミアム
子どもを出産する間隔を短くすると優遇される制度。

2.サムボ(事実婚、同棲)制度
サムボとは、登録している住所を同じくし、継続して共同生活を営み、性的関係をもつカップルの事です。
スウェーデンでは、サムボによるカップルが多く、法律婚のカップルの9割以上がサムボを経験しており、お試し期間として機能していると考えられています。
また、サムボカップルに生まれた子ども、すなわち婚外子に対する法律上の差別はなく、法律婚カップルの子と同様の権利が保障されています。
2008年における婚外子割合は、54.7%と半分以上を占めており、未婚のまま子どもを産む事が社会的に認知されていると言えます。

3.パパ専用の育児休暇と育児休暇の延長
父親の育児休暇消化率が、母の10分の1と低かったため、父親専用の育児休暇が法的に作られることとなりました。

4.高い育児給付金
手当額は最初の390日間は働いていた時の賃金の80%給付、残りの90日間は一日約900円の定額給付となっています(物価水準は日本とほぼ同じ)。
日本では、働いていた時の賃金の40%給付となっています。

5.高い育児休業取得率
育児休業取得率は、女性で8割強、男性では8割弱と、男女とも高くなっています。
日本の取得率は女性70.6%、男性2.63%で、男性はほとんど利用できない仕組みといえます。

スウェーデンの育児休暇取得率
6.マックスタクサ制度
保育所の利用料金の上限額を定める制度。

7.女性労働力率
国際的にみてもスウェーデンの女性労働力率は高くなっており、特に出産期女性の労働力率が高い事が特徴です。

少子化対策に成功した実例 〜フランス〜

 フランスもスウェーデンと同様に少子化の悩みを抱えていましたが、1世紀にわたり少子化に取り組んできた国です。
出産育児にかかわる問題をひとつづつ解決し、たえず家族政策の改革、改善に取り組むことにより、少子化問題に向き合おうとしています。

(人口動態統計 厚生労働省 2011年)

フランスの社会制度は、「産めば産むほど有利なシステム」になっています。

1.家族手当
所得制限なしで、2子以上を養育する家庭に給付される。20歳になるまで、こどもの数によって支給されます。
日本の児童手当と近いですが、1子の家庭には支給されない点が違います。

2.N分N乗方式
子育て世代、特に3人以上の子どもを育てている世帯に対して、大幅な所得税減税がなされ有利な仕組みになっています。

3.家族補足手当
第3子から支給される。所得制限はありますが、制限は緩やかなので多くの世帯が受給しています。

4.年金加算
子どもを3人養育すると年金が10%加算されます。

5.職業自由選択補足手当
子育ての為に仕事を全面的に休むのか、週4日や3日勤務、午後3時までと言ったように時間短縮するかなど、個人に合わせて労働の有無や、労働時間数を選択することができる。

6.保育方法自由選択補足手当
保育ママに子どもを預ける場合に支給されます。

7.出産費用
産科の受診料、検診費、出生前診断、出産費用など妊娠出産から産後のリハビリテーションを含め無料。

8.父親の出産休暇
母と同様の有給扱いで賃金の80%が保障されています。

9.不妊治療と人工中絶
治療は公費で行われていますが、43歳までと年齢制限があります。

10.高校までの学費は原則無料となっています。
公立大学の学費も、数万程度の登録手続き費と健康保険料のみで、ほぼ無料です。
また、多くの学生が奨学金を支給されています。
学費や教育費にお金がかかるから子どもを産まないという考え方は、ほとんど存在しないといえるでしょう。

11.事実婚と婚外子
フランスでは、ユニオンリーブル(自由縁組み)というカップルの生き方が一般化しています。
法律婚にとらわれないカップルが社会的に認知されるようになった背景には、フランス人の家族観とそれに伴う法の整備があげられます。
1970年に6%だった婚外子が、1980年代半ばから急速に増加し、2008年52%に達しました。
産まれるこどもの半分が婚外子となり、社会的な受容度は高くなっています。
婚外子の法律についても、自然子(非嫡出子)の権利は嫡出子と同じになり、嫡出子、自然子という用語そのものが民法から削除されました。

12.保育サービス
公立保育所の充足率は低いですが、3歳までは自宅で子どもをみてくれる認定保育ママや低額のベビーシッターが比較的簡単に利用できます。
3歳以上になると公立の保育学校に入学できるようになり、保育学校は初等教育体系に位置づけられている為、100%就学保障されています。

13.余暇保育
日本の学童に相当するものです。
ほほとんど費用がかからない仕組みになっています。

※出典:いまやらなくていつやる!日本の少子化対策:海老澤由紀

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